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「パネトーネマザー粉末(製パン用)」でパンを作る方も少しずつ増え、その美味しさを実感して
いただいた方から「今までドライイーストで作っていたレシピがあるのだけど、パネトーネマザー
粉末(製パン用)で作ったらもっと美味しくなると思うんですがどうでしょうか?」「ぱねぱんクラブ
以外のレシピでも作ってみたいんですが。」といったメールをいただく機会が増えてきました。
一方で「ドライイーストのレシピをアレンジしてみたのだけど、うまくいかなかった。」というメール
を頂くことも多く、個人的にはアレンジをすることをお勧めはできないのですが、「自分でレシピを
アレンジしてみたい。」という方のために、私が試作してきた中で感じたアレンジする際の注意
点や、他の酵母とは違う「パネトーネマザー粉末(製パン用)」の特徴をここでまとめてご紹介
させていただく事にしました。
自分でレシピをアレンジしてみたい方は、一度目を通していただけると良いと思います。
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1.「ドライイーストの分量を○倍すれば、パネトーネマザー粉末(製パン
用)で作る事が出来る。」といった、簡単な法則はありません。
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よくある質問に、「ドライイーストの何倍使えばいいのですか?」というものがあります。
残念ながら、そういった便利な計算方法はありません。
パンを作っていると、「自分のレシピが一般的なもの」と思い込んでしまいがちですが、ドライイー
ストのレシピは千差万別で、レシピによって配合は大きく異なります。
例えば、食パンレシピの場合、充分に発酵時間を取れるのであれば、ドライイーストの量はベー
カーズパーセントで1%程度が目安。(強力粉100gとすると、ドライイースト1g程度)
しかし、特に発酵時間を短縮して作るタイプのレシピの場合、イーストが発酵力をつける時間を
充分とれないので、その分イーストの量を増やす事で発酵力をカバーする場合があります。
同じ「食パンレシピ」であっても、ドライイーストの量が1%のレシピもあれば、多いものでは3%近
いレシピもあります。
例えば、もともとドライイーストが1%近く入っているレシピを参考にして、その5倍「パネトーネマ
ザー粉末(製パン用)」を入れると、100gの粉に対して5g…と酵母に関しては適切な分量になり
ますが、ドライイーストがもともと3%程度入っているレシピを5倍にすると、粉100gに対して「パネ
トーネマザー粉末(製パン用)」15gという、大量の酵母を入れる事になってしまいます。
これでは酵母が多すぎて酵母のにおいがきつくなってしまいますし、水分をかなり増やさないと
生地が硬くなりすぎて捏ねられなくなります。
上記の様な事情から、「ドライイーストを○倍すれば、どんなドライイーストのレシピでもうまく出来
る。」と言うような法則を作る事は不可能なので、あらかじめご了承ください。
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2.他の酵母にはあまり見られない、グルテンの結合を強化する
という力があります。
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「では、酵母の量さえあっていれば、どんなドライイーストのレシピでも美味しく作る事が出来る
のか。」と考える方もいらっしゃるかと思うのですが、必ずしもそうはいいきれません。
「パネトーネマザー粉末(製パン用)」には「グルテンの結合をよくする力」があるからです。
グルテンの結合をよくする力がプラスに働いた場合、「捏ねが多少不足しても、酵母がグルテン
の結合をよくして捏ね不足をカバーしてくれる。」「グルテンが傷んでも回復が良い。」等のメリッ
トがあります。
ただし、アレンジするレシピによっては、マイナスに働く場合もあります。
例えば、ドライイーストや他の酵母の場合、「わざと捏ね時間を短めにして、グルテン膜をあまり
つなげない状態でふくらみを抑えて、噛み応えのあるどっしりした感じに仕上げる。」というレシピ
もあります。
しかし、「パネトーネマザー粉末(製パン用)」は「グルテンの結合をよくする力」があるので、捏
ね時間を短めにしても発酵させているうちにグルテンの結合をよくしてしまい、ふっくらしたパンに
してしまう場合があります。(特に油脂が少ない場合、その影響が大きいようです。)
「パネトーネマザー粉末(製パン用)」でふくらみを抑えたパンを焼きたい場合、捏ね時間でグル
テン膜のつながり具合を調節するのは難しいので、ふくらみの少ない粉を多めに配合するなど、
粉の配合そのものを見直す必要が出てきます。
ドライイーストの「捏ね時間を短くしているレシピ」をアレンジする場合は、その点にご注意下さい。
それから、補足情報ですが、「パネトーネ酵母(パネトーネマザー)」は小麦粉で培養しているの
で、「パネトーネマザー粉末(製パン用)」を使う事で小麦粉の分量を増やしている事になること
と、グルテンの結合をよくする分吸水がよくなるという理由から、レシピによってはドライイースト
のレシピより3〜5%水分を増やす必要が出てくる場合がありますので、ドライイーストの
レシピをアレンジする際には、その点にもご注意ください。
特に、発酵時間があらかじめ決まっているHBで焼くレシピをアレンジする場合、水分を増やさな
い事で生地が硬くなって膨らみにくくなり、ふくらみが悪くなる場合があります。
当HP「ぱねぱんクラブ」では、「パネトーネマザー粉末(製パン用)」の「グルテンの結合をよくす
る力」を利用したレシピとして、「裏ワザパン(A-1〜A-8)」のレシピを提供しています。
おそらく、他の酵母には「グルテンの結合をよくする強い力」がある事は少ないと思うので、他の
酵母の場合は同じ方法で作っても同じ効果を得ることはできないと思います。
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3.他の酵母にはあまり見られない、甘みのバランスを変える(材料の味
を変化させてしまう)という力があります。
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さらに、グルテンの結合をよくするだけではなく、「パネトーネマザー粉末(製パン用)には、材料
の味を変えてしまう力もあります。
例えば、私の「パネトーネ」のレシピでは30%もの砂糖を入れていますが、焼きあがったパンを
味わってみると、とてもおだやかな甘さになります。
「どんな場合でも甘みを感じにくくしてしまうのか。」というとそういうわけでもなく、砂糖をほとんど
入れないシンプルなレシピの場合に、逆にほのかな甘みを感じる場合もあります。
発酵時間をどの位かけるかによっても、甘みの変化が異なります。
また、私が試作した範囲内では、ハチミツを使うと非常に甘みが消え易かったです。「あんなに
たくさんハチミツを入れたのに、どこへ行ったの?」という経験をしたことがあります。
ドライイーストで「ハチミツの甘みが美味しいパン」を「パネトーネマザー粉末(製パン用)」にアレ
ンジした場合、せっかくのハチミツの甘みが消えて、あまり甘くないパンになってしまう可能性が
あります。どういった糖分を使うかによっても、味の変化が異なるようです。
ドライイーストのレシピを、酵母だけ「パネトーネマザー粉末(製パン用)」に置き換えた場合、元
のレシピとはかなり味のバランスが変わってしまう場合もありますので、その点にご注意下さい。
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4.他の酵母にはあまり見られない、材料の味を消してしまう。(材料の
味を変化させてしまう)という力があります。
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「パネトーネマザー粉末(製パン用)」は、材料によっては味を消してしまう場合があります。
例えば、牛乳を使った食パンの場合、発酵時間を長めにとると牛乳の味が完全に消える場合が
あります。(牛乳を使った影響によるサックリした食感は残りますが。)
また、生地にクリームチーズを練りこんだりした場合も、チーズの味を消してしまいます。(生地
に練りこまないでサイコロチーズ等を生地に巻き込む場合は、チーズと相性もよく、美味しいパン
ができるのですが。)
それ以外にも、発酵バターの風味を消して普通のバターと変わらない焼き上がりにしてしまった
りするなど、使う材料によってはせっかくの味を消してしまう場合があります。
必ずしも「使う材料の味がそのまま出て、風味だけよくなる。」とは限りません。
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5.他の酵母にはあまり見られない、材料の味を強調する(材料の味を
変化させてしまう)という力があります。
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「パネトーネマザー粉末(製パン用)」は、材料によっては材料の味を強調する場合があります。
特に、クセのある味の材料を使った場合に起りやすくなります。
例えば、豆乳を使うと豆の青臭い味が強調されたり、黒糖(精製していない砂糖)を使うとアクの
ある味が強調されたりといった現象が起きる場合があります。
「豆乳を使ったパンを作りたいのに、ぱねぱんクラブでは豆乳を使ったレシピがないから、ドライ
イーストのレシピをアレンジしたい。」と考える方もいらっしゃると思うのですが、すでに試作済み
で、「パネトーネマザー粉末(製パン用)」ではあまり良い結果が得られなかったためにレシピで
使っていない素材も少なくはないので、その点はあらかじめご了承ください。
また、「(化学)香料」が多く入ったものとは非常に相性が悪い場合があります。
業務用のカスタードクリームを「パネトーネマザー粉末(製パン用)」の生地に包んで焼いてみた
事があるのですが、カスタードクリームの香料の味が鼻について非常にまずいパンになってしま
いました。
もちろん、イーストパンの生地だとちゃんと美味しいクリームパンになっていましたので、そのクリ
ームの味が悪かったという事ではなく、「パネトーネマザー粉末(製パン用)」との相性が悪かっ
たということだと思います。
おそらく、「パネトーネマザー粉末(製パン用)」の自然な風味と対比される事で、香料の味との
違和感が出やすいのではないかと思います。
市販の折込シートやチョコチップなどでも、一部の香料の強いものは、「パネトーネマザー粉末
(製パン用)」と組み合わせる事によって香料の匂いが鼻について、ドライイーストで作った場合
よりも美味しくなくなってしまう可能性があります。その点にご注意ください。(ただし、すべての
香料と相性が悪いわけではなく、香料によっては影響が少ない場合もあります。)
「パネトーネマザー粉末(製パン用)」で作るとなぜ美味しいパンができるのか…それは、酵母に
含まれる酵素や発酵生成物が、ドライイーストとは違う影響を生地に与えるからです。
酵素や発酵生成物の影響により、他の酵母には出せない味がだせたりできない事が出来たり
する分、他の酵母では出来る事ができなくなってしまう場合もあります。
ドライイーストとは違う特徴を持っているので、「ドライイーストで美味しくできるように調節された
レシピ」で作っても、必ずしも良い結果が得られるとは限りません。
組み合わせる材料によってはドライイーストや他の酵母の方が美味しいパンが焼ける場合もあり
ますので、「パネトーネマザー粉末(製パン用)」にこだわらず、レシピに応じて酵母を使い分けて
いただけると、いろいろなパンをより美味しい形で楽しんでいただけると思います。
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