パン作りのいろいろな話
中種(生地)をレンジで温めることについて   中種(生地)を寝かせる時間
アルカリ水を使ってもいいの?   どんな小麦粉を使ってもいいの?   捏ねについて
打ち粉について   生地のアレンジについて   オーブンについて
砂糖を後から入れるのはなぜ?   卵黄しか使わないのはなぜ?全卵ではダメ?
「パネトーネマザー粉末(製パン用)」でクッキーは出来る?  型の容量と生地量について  
 レーズンの下処理   砂糖について  全粒粉について
フードプロセッサーで生地をこねる場合
「パネトーネマザー粉末(製パン用)」のよい保存方法は?
中種が粉っぽいのが気になるので、水分を増やしてもいい?  バターの置き換えについて


中種(生地)をレンジで
温めることについて
 冷蔵庫で寝かせた中種(生地)をレンジで温める場合、「電子レンジ対応
 の入物を使う事。」「必要以上に温度を上げすぎない事。」の2点を必ず
 守って下さい。中種(生地)を、レンジで一気に30度位まで温めてしまう
 と、パンがふくらまなくなってしまうことがあります。
 生地の温度は「15〜20度」位にするのが目安です。(25度位までなら大丈夫なのですが、HBで使う場合
 はそこまであげる必要はありませんし、温度をあげすぎないため少し低めに設定しています。)
 私の使っているレンジでは、冷蔵庫内で5度前後になっているものを「15〜20度」にする場合、1斤の中
 種が500wで20〜30秒位。1.5斤の中種が500wで30〜40秒位。オーバーナイトストレート法の生地でいく
 と、1斤が40〜60秒位。
 ただ、同じ500wのレンジであっても機種によって温度の上がり方が違う場合があるので、初めてレンジ
 で中種(生地)を温める場合は、10秒ずつ取り出して温度計で確認しながら温めましょう。
 また、生地量を多くした場合、レンジで温めると「外側が温まりすぎで、中は冷たいまま。」という状態に
 なることもあります。その場合、途中でとりだしてゴムベラで少し混ぜるなどしてください。

 …と、ここまでいろいろ書いていると、時々「レンジで中種を温めるのは不安。」「レンジで中種を温めない
 方法はないか。」というメールを頂くことがあります。
 レンジで中種をあたためるようになったのは、HB用の中種のレシピを作る時に、HBの発酵プログラムに
 合わない事から、温度調節に困り果ててレンジでの実験を行ったといういきさつがあります。(HBのプロ
 グラムは常温の材料を使う事を前提に設定されていますから、冷たいままの中種をそのまま使うと発酵
 不足になってしまうのです。)

 それまではどうしていたかというと、特に事前に中種を温めるような事はしていませんでした。捏ね上が
 りの生地温度が低いので1次発酵の時間が長くなりますが、時間がかかる以外は特に問題なく出来ま
 す。(中種を温めると1次発酵が1時間前後ですみますが、温めないと3倍位の大きさに発酵させるまでに
 1時間半〜2時間位かかります。)

 HBで中種法のパンを作る場合、特に寒い時期はレンジで中種を温める事が不可欠になりますが、手作
 りで作る場合は発酵時間さえかければレンジを使わなくても出来ます。

中種(生地)を
寝かせる時間
 中種(生地)を寝かせる時間は「16〜24時間」という大変アバウトな時間
 になっています。これについてはあまり難しく考えないで下さい。例えば
 「14時間しか経っていないけど、まだ使っちゃいけないのかしら?」とか、
 「25時間経ってしまったからもう使えないのかしら?」といった事はありま
 せん。だからといって、中種のレシピを2時間しか寝かせなければうまくできない可能性が高いですし、
 二日間中種(生地)を寝かせてしまうと、生地がすっぱくなってしまいます。

アルカリ水を使っても
いいの?
 「パネトーネマザー粉末(製パン用)」にはアルカリ水は使用できません。
 パン生地はもともと酸性を好みます。パン生地にビタミンC(酸化剤)などを
 入れるのも、パン生地をよりよい状態(酸性)にするためです。他の酵母で
 はアルカリ水を使っても問題がない場合もあるようなのですが、「パネトー
 ネマザー粉末(製パン用)」の場合はアルカリ性の強い材料を使うと酵母の特徴を弱めてしまいます。結果
 としてグルテンの結合を強化できずにべたべたした生地になったり、パンがふくらまなくなったりします。
 アルカリ性の強い材料は使用しないでください

どんな小麦粉を使って
もいいの?
 同じ「強力粉」と呼ばれている粉でも、粉によっては適正な水分量が違っ
 たりする事があります。レシピによって向いている粉や向いていない粉も
 あります。各レシピに記載している場合もありますが、小麦粉ガイド
 チェックしましょう。

捏ねについて
 こちらで提供しているレシピは、「手捏ね」の方法をご紹介しているレシピ
 と、HBで捏ねる方法をご紹介しているレシピがあります。
 HBやパン捏ね機をお持ちでない方は、できれば「手捏ね」の方法を紹介
 しているレシピをご利用ください。
 こちらでご提供しているHBで捏ねを行っている生地については、イーストと同じ方法で手で捏ねようとする
 と作りにくいレシピもあります。「パネトーネマザー粉末(製パン用)」は吸水を良くする力があるため、他の
 酵母よりも水分を多めにしているレシピが多いからです。
 手捏ねのレシピだけでもパン作りを楽しめると思いますが、「より多くの種類のパンを焼きたい。」という事
 であれば、できれば「ホームベーカリー」や「パン捏ね機」を使って生地を捏ねる事をおすすめします。
 ホームベーカリーは安いものならディスカウントショップなどで1万円前後で購入する事が出来て、手間を
 かけたくない場合は材料だけ入れればパンを焼いてくれるので、「パンを焼く事を日常に取り入れたい。」
 という方には重宝すると思います。

打ち粉について
 パン教室などで「パンが固くなるので打ち粉は使わないように。」と習った
 という話を時々伺うのですが、「パネトーネマザー粉末(製パン用)」の生
 地の場合はイーストの場合よりも給水量が多くなっているため、使う粉や
 レシピによっては、打ち粉を多めに使わないとべたべたして扱いづらい
 場合があります。打ち粉を使わないように無理をしすぎると、かえって生地を傷めてしまってパンの表面
 をがさがさにしてしまう事もあります。
 初めて使った粉で生地が柔らかかった時でも、「打ち粉は使えないわ。どうしよう?」と神経質にならずに、
 「多めに使って、後ではらえばいいよね。」位の気軽さで作ってみましょう。
 私はパン屋にいた事がありますが、パン屋さんでも必要な打ち粉は使っていました。生地が扱いやすく
 なる程度の範囲で打ち粉を使うのであれば、極端にパンが固くなってしまうようなことはありません。

生地のアレンジ
について
 「パネトーネマザー粉末(製パン用)」は、「他の酵母よりも材料そのものの
 味に影響を及ぼす。」という特徴があります。材料の味をよりよく変化させ
 たり、材料の味を消してしまったり、材料の「アクのある味」を強調する事
 もあります。
 そのため、「生地に練りこむ」場合は、向いている副材料と向いていない副材料とがでてきます。
 生地のアレンジをしたい場合でも、まずはこのHPで提供しているレシピを作ってみて、どんな味のものが
 出来るのか、生地の様子はどんな風になるのか確認してからアレンジを行うことをお勧めします。

 また、アルコール漬けのフルーツ等は、アルコールが酵母の発酵を妨げる事があります。どうしても使用
 したい場合は生地に練りこまずに、成形の時にしっかり水気を切ったフルーツを巻き込んだほうがいいで
 しょう。生地に練りこむ場合は、酵母を若干増やす必要があります。

 ちなみに、私が試作した材料では「バナナ(甘みが消えてアクのある味が出る。)」「豆乳(豆のクセのある
 味が強くなる。)」「チーズ(味が消える。)」「コーンフラワー・クリームコーン(味が消える。)」「プルーン(鉄
 分の匂いがキツクなる。)」…などがあります。

 また、「発酵バター(風味が消えやすい。)」「黒糖(アクのある味が出る。)」等のご意見を頂いています。
 にんじんやかぼちゃについては、おそらくアクのある味がでると予測しておりまして、試してはいません。
 (野菜類は使う野菜によって水分量等が変わる可能性があるため、正確なレシピが出せないという理由
 もあって、試作を行っていません。)
 ヨーグルトについてはカスピ海ヨーグルトで試作を行いましたが、私自身が酸味のあるパンを好まないた
 め、レシピをご紹介していません。
 酸味のあるパンがお好みの方は、アレンジして作ってみてもいいでしょう。

 それから、「合成香料」を多く使った食材と組み合わせるのも要注意です。
 一度、業務用の合成香料がたくさん入っていると思われるカスタードクリームでクリームパンを作ってみ
 た事があるのですが、「パネトーネマザー粉末(製パン用)」の自然な味わいと合成香料が大変相性が
 悪く、合成香料の臭いがひどく鼻につくクリームパンになってしまいました。(そのクリームを使ってイース
 トの生地でクリームパンを作っても、「パネトーネマザー粉末(製パン用)」のパンで感じる様な違和感は
 感じませんでした。)
 「パネトーネマザー粉末(製パン用)」でパンを作る場合、なるべく合成香料が含まれていない(または少
 ない)食材と組み合わせたほうが良いと思います。

オーブンについて
 家庭用オーブンには、大きく分けると「ガスオーブン」と「電気オーブン」が
 あります。例えば、同じ「200度」に設定しても、ガスオーブンは設定温度
 よりも温度が上がりやすく、電気オーブンは設定温度よりも温度が低くな
 りやすい傾向にあります。
 バターロールなどの小型パンを焼く場合は焼き色で判断できますが、1斤型等で焼く場合は、温度が高く
 なりすぎたり低くなりすぎたりすると、焼きすぎて硬くなったり、中が生焼けになるということが起きます。
 何度もオーブンを使っているうちにだんだん慣れてくるとは思いますが、「オーブン温度計(1,500円程度)」
 があると、オーブンの「クセ」を把握しやすくなります。

砂糖を後から
入れるのはなぜ?
 私が出しているストレート法のレシピの中には、砂糖を後から入れるもの
 がいくつかあります。そのレシピが出来たのは、「ストレート法でも、少し
 甘い生地のレシピを出したい。」と考えた事がきっかけでした。
 まず、他の生地と同じ様にバターだけを後から入れて見ましたが、砂糖
 を多くするとパウンドケーキの生地のようにべとべとになってしまい、パンを作る事ができませんでした。
 水分を減らせばある程度カバーできたのかもしれませんが、それではパンが固くなってしまうのではない
 かと思い、「水分量を減らさずに砂糖を多く入れる事は出来ないか。」といろいろな方法を試した所、
 「同じ配合であっても砂糖を後から加えると捏ねやすくなる。」という事を発見しました。
 つまり「砂糖を後から入れる。」という方法は、理屈ではなく、実践的な事から考え付いたのです。
 この方法は実践的な事で発見した方法ですから「理論的には絶対こうです。」とは言えませんが、生地
 がべとべとになってしまう原因は、「パネトーネマザーがグルテンの結合を強化しはじめる前に砂糖を多
 く入れる事で、砂糖がグルテン膜の形成を妨げてしまっている。」という事ではないかと思います。
 その問題を、いったん砂糖なしで捏ねて、後から砂糖を加えることで解消できているのだと思います。

 中種法の場合は、酵母がすでにある程度グルテンの結合を強化しているため、はじめから砂糖を入れて
 も問題ありません。(砂糖が少ない生地よりはべたつきますが)
 「絶対こうです。」という事ではありませんが、いろいろな状況から考え合わせると、理論的にはこのよう
 なことだと思ってます。

卵黄しか使わない
のはなぜ?
全卵ではダメ?
 卵白は、お菓子を作る場合には重要な役割を果たしますが、パン生地に
 練りこむ場合はあまり意味がありません。むしろ、卵白のたんぱく質が
 パンの口当たりを若干悪くする事もあります。そこで、私のレシピでは、
 ほとんどのレシピを「全卵」ではなく「卵黄+水」に置き換えています。
 「卵は割った後すぐに使わなくてはいけない。」と思われている方もいらっしゃると思うのですが、実は悪く
 なりやすいのは「卵黄」なのです。卵を割ってしまった後でも、卵白だけを冷蔵庫で保存すれば1週間位
 は保存可能だという話を耳にした事があります。さすがに「1週間」というのは極端だと思いますが、冷蔵
 庫で保存して加熱して使用する分には、2〜3日は問題ないと思っていいと思います。

 では、残った卵白はどうしたらいいか?これはお菓子を作る人ならいろいろと使い道があるとは思うので
 すが、表面に艶出しの卵を塗るのであれば、わざわざ全卵を新しく割らずに残った卵白を使用してもいい
 と思います。艶出しとしては卵白だけでも充分つやが出ます。(焼色はさすがに全卵の方がつきやすいで
 すが。)
 私のレシピで「生地に全卵」を使っているのは、今の所ワッフルだけ。 ワッフルも初めは「卵黄+水」で
 試作をしてみましたが、「卵黄+水」で作ってしまうとふわふわになってしまい、ワッフルらしいさくさくした
 歯ごたえがでなかったので、「全卵」にしました。

「パネトーネマザー
粉末(製パン用)」で
クッキーは出来る?
 クッキーは何種類かレシピを作って試してみましたが、納得のいくものは
 できませんでした。クッキーはグルテンの少ない薄力粉で、さっくりとした
 歯ごたえになる様に作ります。ところが、「パネトーネマザー粉末(製パ
 ン用)」の場合はグルテンの結合を強化する力があるため、かなり固い
 歯ごたえになってしまうのです。普通に焼いたり、軽い食感にするために材料を工夫したり、ビスコッティ
 という2度焼きスタイルのものを試したり…なかなか納得がいくものが出来ずにかなり手間をかけたレシ
 ピを作り始めた所で、はたと気がつきました!
 「クッキーは手軽に楽しむおやつ。パンを作る以上に手間をかけて作るものではないはず。」
 …そこで、クッキーレシピを作ることをあきらめました。
 「パネトーネマザー粉末(製パン用)」は他の酵母では出せない味が出せる場合もありますが、その逆で
 他の酵母に出来る事が出来ない場合もあります。その辺は、上手に使い分けをしてください。

型の容量と
生地量について
 同じ「1斤型」と言う呼び方で販売していても、メーカーによっても、ふた
 付きかふた無しかによっても、型の容量が違っている場合があります。
 また、「2斤」という表示だからといって、必ずしも「1斤の倍の量」の生地
 を使えばいい。」というわけではありません。
 型を使って焼く場合、パンを焼く前に「型の容量」を確認しましょう。
 まず型の中にビニール袋を入れて(型をぬらさないため)、その中に型のふちぎりぎりまで水を入れます。
 その水を計量すれば、その型の容量がわかります。型の容量さえわかれば、必要な生地量を計算でき
 ます。

 例えば、食パン(ストレート法)を2,400ccの型で作りたい場合、私のレシピは1,600cc角型食パンが基準
 ですので、
計算@ 2,400(使おうと思っている型の容量)÷1,600(元のレシピの型の容量)=1.5
 …となり、私のレシピの1.5倍生地が必要という事になります。食パンは成形のときに500gの生地を使用
 していますから、
計算A 500g(元のレシピの生地の量)×1.5(計算@ででた数字)=750g(必要な生地の量)
 これで2,400ccの型で食パンを作る場合は、750gの生地が必要という事がわかりました。
 次に、必要な材料の量を割り出します。
 まず、750g(必要な生地の量)に20gを足します。これは、作業の途中で捏ね機にくっついたりしてロスす
 ると考えられる分です。
計算B 770g÷192.3(食パンのベーカーズパーセントの合計)=4.0041…(4)
 これで、ベーカーズパーセントにかける数字がわかりました。あとは、
計算C 強力粉100%×4=400g  酵母4.5%×4=18g…
 …というように、全部の材料のベーカーズパーセントに4をかければ必要な材料の量が計算できます。

 ちょっと難しいようですが1度計算してしまって自分の型に必要な材料のメモを残しておけば、同じレシピ
 を何度も計算しなおす必要はありません。型にあった生地量にすれば発酵の見極めもしやすく(型のふち
 ぎりぎり位まで)、ふたをした場合も生地があふれる事なくきれいに焼けます。
 また、「型の上に大きく盛り上がったような山型パンを作りたい。」という場合も、型の容量と使う生地の量
 を把握していれば、発酵の見極めもしやすくなるでしょう。
 例えば、同じ食パンレシピで2,400ccの型を使用し800gの生地を使うのであれば、発酵の見極めは型の
 ふちより少し高めの所までになり、型より大きく盛り上がったパンが出来ます。
 ※使用する粉によってもふくらみが変わってくる場合もあります。 

レーズンの下処理
 私は、レーズンを使う前にこんな下処理をしています。
 まず、大きめの鍋に多めにお湯を沸かし、その中にレーズンを入れて20
 〜30秒位かき混ぜます。(カランツの場合はもっと短いです。)
 すると、お湯が茶色になり、ほこりが浮いてきます。
 レーズンを煮込まないうちにざるにあけ、水道水でよく流します。よく汚れを流したらしっかり水気を切って
 使います。(私は専用の洗濯ネットに入れて、脱水機にかけています。)まとめて処理をするときはビンに
 入れ、少量のラム酒をふりかけておきます。
 ラム酒は本当に少量です。私は500gのレーズンに小さじ1〜2杯分位かけています。(あまり多く入れる
 とレーズンがアルコールを含んで、パンを作るときに発酵の妨げになります。)

砂糖について
 一口に「砂糖」といっても、その種類はさまざまです。なじみのある砂糖を
 大きく分類すると、以下のようになります

 …不純物を完全に取り除いた白い砂糖。(上白糖やグラニュー糖など)
 …サトウキビからとったままで不純物を取り除いていない砂糖。(黒糖)    C…サトウキビからとったものを少し精製した砂糖。(三温糖等)
 …砂糖大根から抽出した砂糖。(てんさい糖)
 …かえでから抽出した糖。(メープルシュガー)

 この中で一番商品の品質にばらつきがあるものはです。には三温糖や洗糖・ブラウンシュガーなど
 さまざまな種類があります。そして、その中には「アクを残しているもの」と「アクだけを取り除き、栄養分
 は残しているもの。」があります。
 私は「パネトーネマザー粉末(製パン用)」の生地に使う場合、主にてんさい糖を利用しています。オリゴ糖
 も含まれた、体に優しいお砂糖です。(但し、色が茶色なので、黄色に仕上げたいメロンパンの生地など
 にはグラニュー糖を使用しています。)
 てんさい糖以外の砂糖を使う場合、グラニュー糖や上白糖あるいは洗糖(アクを取り除いて栄養は残した
 砂糖)などがお勧めです。なぜかというと、「パネトーネマザー粉末(製パン用)」は材料の味を消したり、逆
 に強調したりする作用があるからです。
 アクが含まれた砂糖を使用すると、「パネトーネマザー粉末(製パン用)」が「アクのある味」を強調してしま
 う可能性があります。(使う量や合わせる材料によっても影響が違ってくると思いますが。)
 勘違いをしないでいただきたいのですが「アクを残した砂糖がダメだ。」と言っているのではありません。
 例えば、私はシュトーレンにまぶすのに「ブラウンシュガー(栄養分も残しているが、アクも若干残ってい
 る。)を使用しています。コクがあって美味しいからです。黒糖を使ったパウンドケーキも作ります。黒糖や
 ブラウンシュガーでしか出せない味わいというものがあるからです。
 ただ、「パネトーネマザー粉末(製パン用)」の生地に入れるにはあまり相性が良くないと、私は思います。

全粒粉について
 全粒粉は、小麦粉の外郭を取らずにまるごと挽いた粉です。
 小麦粉に「強力粉・中力粉・薄力粉」があるように、全粒粉にも「全粒強
 力粉・全粒中力粉・全粒薄力粉」があります。
 また、挽き方もいろいろあります。細かく挽いた「細挽」から「中粗挽」、
 もっとも粗く挽いたものは「グラハム粉」と呼ばれています。全粒粉は小麦をそのまま挽いているために
 香りが強く、栄養価も高い粉ですか、少し欠点もあります。
 それは、挽いてから時間が経つほど酸化して、味が落ちやすいという事です。挽きたての粉を手に入れ
 る事が出来ればこれほど理想的な事はありませんが、普通の家庭では難しいでしょう。(家庭用製粉機
 も販売されていますが、よほどパンを頻繁に焼くか味にこだわる方でなければ購入しないと思います。)
 また、全粒粉の割合を多くすると固い外郭も多く含まれる事になるため、パンのふくらみも悪くなり、食感
 も固くなります。そのため私のレシピでは、ふくらみや食感に大きな影響がなく、小麦の香りを楽しめる
 程度に量を控えて使用しています。
 全粒粉の割合を多くしたい場合、以下の事を参考にしてください。
 @ 出来るだけ新しい粉を使う。
 A 強力粉を全粒粉に置き換える場合は「強力粉全粒粉」、薄力粉を全粒粉に置き換える場合は「薄力
    粉全粒粉を使用する。(強力粉全粒粉と薄力粉全粒粉とでは吸水量が変わるからです。)
 また、それほど頻繁に全粒粉を使用しない場合、できるだけ小さな袋を購入して、袋を開けたら早めに使
 い切ることをお勧めします。
 私のお勧めは、「石臼挽全粒粉」。挽くときの摩擦熱が低いので、粉の風味が良いです。

フードプロセッサーで
生地をこねる場合
 フードプロセッサーは短時間でいろいろなことが出来る便利な調理家電
 です。そして、フードプロセッサーの中には「パン生地を捏ねる機能」が付
 帯している機種もあります。
 「パン生地を捏ねる機能があるのだから、どんなパン生地でも捏ねられる 
 のだろう。」と考える方もいらっしゃると思うのですが、どんな生地でもフードプロセッサーで捏ねられる
 わけではありません。

 ホームベーカリー(HB)用でも比較的固めのしっかりしている生地の場合は、フードプロセッサーの機種
 によっては捏ねる事が出来る場合もありますが、砂糖や水分が多めになっている「ゆるめの柔らかい
 生地」「粘りの強い生地」は絶対にNG!
 高速で回転するモーターが柔らかい生地を巻き上げ、生地がモーター稼動部分(本来なら材料が付着し
 ない機械部分)まで入り込み、モーターに大きな負荷をかけて作動を止めてしまったり、お掃除が大変な
 状態になってしまいます。きちんとお掃除をしないと、故障の原因にもなると思います。

 パン生地専用のHBの場合、多少ゆるめのべたべたした生地でも問題なく捏ねる事が出来ますが、フード
 プロセッサーはHBとは作動の仕方が大きく異なるので、同じ生地を捏ねられるわけではありません。

 そういった事情で、基本的には当HP提供の「ホームベーカリーあるいは捏ね機(ニーダー等)で作る」と
 記載のあるレシピを、フードプロセッサーで捏ねる事はお勧めしません。

 「HBはないが、パン捏ね機能付のフードプロセッサーなら持っている。」と言う方は、「フードプロセッサー
 専用のレシピ」で作るか、フードプロセッサーは使わずに手捏ねのレシピを作る事をお勧めします。

「パネトーネマザー
粉末(製パン用)」の
よい保存方法は?
 開封前の真空パックの状態であれば、製造日より常温で1年保存可能で
 すが、開封後についてお話します。酵母の保存について、一番心配なの
 は「湿気」です。一番ベストなのは、インスタントコーヒーの空き瓶に開封
 した酵母を移し変えて、冷蔵庫で保存する事です。
 インスタントコーヒーの空き瓶は密封度も高く、結露にも強く、酵母の保存に最適だそうです。(酵母工業
 談)使用済みのインスタントコーヒーの空き瓶をよく洗ってしっかり乾燥させてからご使用ください。
 真空パックを開けてから長期間保存していると、ある日突然「まったくふくらまなくなる。」と言うような事は
 ありませんが、ほんの少しずつ発酵力が衰えてきます。開封後は早めにお使いください。

中種が粉っぽいのが
気になるので、水分を
増やしてもいい?
 他の酵母での「中種」の場合、こちらで紹介している「食パン(中種法)」
 「クリームパン(中種法)」等よりももっと水分を多くしたゆるい中種もあり
 ます。そこで私も「ゆるい中種」を試してみた事があるのですが、「パネ
 トーネマザー粉末(製パン用)」の中種をゆるくしてしまうと、本仕込みの時
 に全体の水分量を調節しても、なぜかうまくふくらんでくれませんでした。
 例えば、スーパーカメリアで中種を作った場合、「それでもちょっと粉っぽすぎるのでは?」と思うかもしれ
 ませんが、カメリアで中種を作った場合はそんなに粉っぽくなりません。
 「できるだけいろいろな粉に対応できるように。」という理由で「粉60%・水44%」という中種のレシピを
 作っていますので、粉によっては「粉っぽい。」「粉っぽくない。」ということが出てきますが、安易に水分を
 足したりするとあとでうまくふくらんでくれなくなってしまう場合もあるので、注意しましょう。
 (注意:これは「食パン(中種法)」等のケースの話です。他にも種を使用して作るパンを紹介しています
 が、各レシピに詳しく記載してあるので、各レシピファイルを参考にしてください。)

バターの置き換えに
ついて
 「バターをマーガリンに置き換えても大丈夫ですか?」という質問をもらう
 事があるのですが、基本的には置き換えはお勧めしません。
 「マーガリン」と一口に言っても、「カロリー半分」等の商品があったりと、
 製品によってかなり成分や品質が変わってしまう可能性があるので、
 その辺が作業上で心配な部分もあるのですが、一番心配なのは「味」です。

 以前マーガリンを使って試作してみた事があるのですが、マーガリン臭さ(マーガリンの香料)が鼻につい
 て、とても美味しいとはいえないパンになってしまいました。
 「パネトーネマザー粉末(製パン用)」と組み合わせる事により、マーガリンの香料が「違和感のある味」に
 感じられたようです。(レシピを自分でアレンジしたい方へ参照)(多数のマーガリンで試作を行っている
 わけではないので、「どんなマーガリンを使っても、必ず香料臭くなる。」と断言できるわけではありま
 せん。)

 そういった事情で「パネトーネマザー粉末(製パン用)」のレシピに関しては、「バターをマーガリンに置き換
 える。」と言う事は基本的にはお勧めできないのですが、現在(2008年4月)バターが非常に品薄になって
 いるので、なかなかバターが手に入らないで困ることもあると思います。

 そこで、私が無塩バターの代用品としてお勧めするのは「リラナチュラル オーベルニュ CF40」です。
 「リラナチュラル オーベルニュ CF40(以降「CF40」と呼ぶ)」という製品は、「発酵バター40%・マーガリン
 60%」のコンパウンドバター(コンパウンドマーガリン)」なのですが、特筆すべきは「香料無添加」だと
 いう事です。(発酵バターの風味を生かすことで、香料を必要としなかったのかもしれません。)
 「コンパウンドマーガリン」を含むほとんどのマーガリンには、原材料に香料が記載されていますが、
 「CF40」の原材料には香料が記載されていません。
 無香料のため、「パネトーネマザー粉末(製パン用)」と組み合わせても、香料の臭いが鼻につく様な心配
 はありません。食パン・バターロール食パン・(バターの多い)ブリオッシュ食パン・(バターの多い)酵母の
 リングケーキ等を試作してみましたが、無塩バター使用のものと遜色のない味に仕上がりました。

 「パネトーネマザー粉末(製パン用)」の生地に使用すると、せっかくの「発酵バターの風味」はものの見事
 に消えてしまうのですが、「品薄のバターの代用品」としては充分役目を果たしてくれると思います。
 クロワッサンの折込バターのように「生地に練りこまないで使用する」と言う場合、発酵バターの風味も
 残り、伸展性がよいので折込もしやすくなると思います。
 クッキーやケーキに使う場合、発酵バターの風味を生かせるので、味のグレードアップにも活躍してくれる
 と思います。サブレを作ってみましたが、お店で売っているようなサックリとした軽さに仕上がりました。

 ただし、1点だけ注意点があります。
 「無塩バター」を「CF40」に置き換えると、少しふくらみがよくなる場合があります。(使用する粉やレシピ
 にもよります。全部のレシピのふくらみがよくなるわけではありません。)
 極端によくなるわけではないので通常は問題ありませんが、「ホームベーカリーで1.5斤のパンを焼く。」
 と言う場合、無塩バターの場合よりも2cm程度高く膨らむ可能性があります。
 そのため、「無塩バターでもフタにつきそうな程膨らんでいる。」と言う場合は、「CF40」に変えることで、
 上部がフタにくっついてうまく焼けなくなってしまう可能性があります。
 ホームベーカリーでご使用の場合は、「5%程度生地量を減らす。」「1斤も1.5斤も焼けるHBの場合、まず
 は1斤を焼いてみる。」などの方法で対応してみてください。

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